ベトナムの労働者事情

労働省、ベトナム労働・傷病・社会省(MOLISA)のレポートによると、今年の前期6か月間に、5万7千人のベトナム労働者が海外に派遣されたそうです。前年度の同じ時期に比べると、6.08%増加しています。

ベトナムがターゲットにしているのは、韓国や、台湾のような高いスキルの求められない、簡単な仕事のマーケットです。MOLISAは、タイで、ベトナム人の労働者が住み、合法的に働くため、労働者たちに有利な条件を作りだすよう要請しました。労働者の仕事内容といえば、レストランやホテルでの、使用人やボーイ、建設現場や牛の食肉処理場のオーナーや労働者への、商品の販売人などです。

Sai Gon Polytchnic&Economics Collegeの前校長、Pham Phoは、ベトナムは、国内で働く労働者の訓練に、もっとフォーカスすべきだと言います。国の生産性を高め、海外の投資家のために働き、国の発展を助けられるような、資格を備えた労働者を生み出すことが必要だと述べています。もし海外の投資家が地元労働者に満足すれば、ベトナムでのプロジェクトにもっと投資してくれるでしょう。

Phamは言います。「ベトナムは、できる限りの労働者を海外に送り、現地通貨を稼ぐよう試みているにすぎない」

「スキルのない労働者ができるのは、簡単な仕事だけで、待遇もあまりよくない。これではスキルを備えた数少ない労働者たちが、ベトナムに帰りたくなくなってしまう」

「スキルのない労働者を海外に送る政策は、永久には続かないでしょう。ただの一時しのぎの解決策のように見えます」

「国内の労働者は、高いスキルを得るための訓練を受けるべきです。もし海外投資事業で働くとしても、ハイスキルの労働者は、国内の発展に貢献してくれるでしょう。しかしもし彼らが海外で働くとなったら、他の国を裕福にする手助けをするだけになってしまうでしょう」

「スキルがないせいで、ベトナム労働者はいつでも搾取されかねません。もし海外の雇用主が、ベトナム労働者を雇う必要がなくなれば、労働者は解雇され、手ぶらでベトナムに戻らざるをえないでしょう」

専門家でもあるPhamは、職業学校がMOLISAのコントロール下に置かれている、現在の政策を非難しています。

「MOLISAはハイスキルの労働者が訓練を受けられる場ではありません。ただ単に労働者が使われる場です」彼はそれに加えて、専門学校は、職業訓練省(MOET)の管理下に置かれるべきだと言います。

2016年4月時点で、ベトナムには1465の職業訓練の受けられる場があります。うち189か所は大学で、279は中等学校(小学校と大学の間の学校)、残りは997の施設です。