Airbnb(エアビーアンドビー)を、単に非日常的旅行体験のできるものだと思っている人も多いようです。しかしこのソーシャル企業の実態は、それだけではないでしょう。
バックストリート・アカデミーは、創業から1年目、ピアツーピアのオンラインプラットフォームです。アジアを訪れる旅行者が、通常の観光客が参加しないユニークな経験をするために登録できます。例としては、タランチュラの調理(見るからに大きいカンボジアに生息するもの)、メコン川での釣り、カトマンズでの木彫り、ラオスでのワイン作りなどです。
一番重要なのは、シンガポールを拠点にしてスタートしたこの会社は、地元職人や、小売業者(ほとんどが字が読めず、テクノロジー技術へのアクセス方法も知らず、ギリギリの生活水準を保てる給与で働いている人々)の収入を劇的に増やす方法を提供しているということです。彼らは旅行者に、こういったエキゾチックな作業を、どうやってこなすかを教えるのです。(もちろん、そういったアクティビティーは、地元民にとってはエキゾチックには映りません。彼らの多くは、生計をたてるため、そういったことに従事しているのです。)
レッスンのお金で、だいたい職人たちの収入は、3倍から4倍に増えます。しかし職人たちは同時に他のメリットも見出しています。「その技術によって、職人たちはたくさんの尊敬と称賛を得られるのです。それは、彼らがこれまで経験したことのないものでした」
「顧客はたいてい旅行者ですが、冒険好きの若いカップルや家族が多く、もっと風変わりなアクティビティーに興味があります。全員とは言いませんが、何人かは、目新しい旅行を探していて、社会にポジティブな影響を与えます。
タランチュラの調理に関して。彼によると、クメール・ルージュの支配下において、多くのカンボジア人が、生き延びるために、昆虫を食べることを余儀なくされたそうです。でもその習慣はなくなり、いまやその食べ物は地元の珍味として知られています。当の昆虫というのは、コオロギや、カイコ、そしてバッタなど、タランチュラのようなクモっぽい虫も同様に含まれます。通常は、バジルの葉と一緒に揚げて、ニンニクとチリソースで味付けします。