私がエレファントポロというものを知って以来、約10年が経ちます。そこにはずっと行きたかったですし、行かないわけにはいかないでしょう?そのスポーツは、純粋にバカげた楽しみのように聞こえますが、大義名分があって行われています。
毎年恒例のキングス・カップ・トーナメントは、アナンタラホテルが14年間、スポンサーを続けています。初回はバンコクで行われました。(かつてはアナンタラホアヒンホテルで開催され、今では首都にある、アナンタラリバーサイドホテルという、素敵なホテルで行われています。)この奇妙なゲームの収益を折半するのは、とどまることを知らない数の関係者と、真面目な基金調達者です。トーナメントは、90年代後半にこのスポーツを復活させることを思いついた、ポロのプレーヤー、博愛主義者、そして、スポーツファンの人達といった、出資者の保証に沿うものです。
国際的なプレーヤーは、主にプロのホースポロのプレーヤーです。しかしニュージーランド出身で、ケンカっぱやい、初期のラグビーチーム、オールブラックスや、地元のゲイの人気チーム、タイの象使いの後ろに乗り、象を操る人などです。彼らは2mもの長さのマレットを振り回します。素早さが求められるゲームではありません。しかしプレイヤーが、象の両側から遠くへ傾いて、足に当てることなくボールを叩き落とすのは、妙にエキサイティングです。(タイを訪れ、アナンタラホテルのゲストとして、私はトーナメントに参加しました)。
象の福祉についての明記。ゲームのルールが、すべて太字で書かれ、プリントされています。「象の健康と福祉は、重要事項であり、象の虐待はもっとも重い反則と見なされます」
アナンタラホテルの長期にわたる保護ディレクター、ジョン・ロバーツは、レギュラー審査員として、毎回ゲームに立ち合っています。象が乗り気でないと気づいたとき、彼がゲームを中断させたのを見たことがあります。
エレファントポロは、1回戦の半分が、7分ごとの、2回で構成されています。そして象は、ハーフタイムで交代します。今年のトーナメントでは、20頭の象が使われました。象たちは象使いから借りたものです。さもなければ、象は旅行者のトレッキングキャンプで、毎日10時間から12時間働かされたり、短いチェーンにつながれつづけ、村では十分な食事を与えられないそうです。トーナメントは象にとって、これまでの中でもベストな待遇なのです。1日約28分のフィールドで、
長い休憩を与えられ豊富な食事とメディカルケアを受けられます。象のブランチは、動物が草を食べる長いテーブルにどっさり積まれた、野菜、パイナップル、サトウキビなどです。それはオープニングデイのハイライトの光景です。
初年度以来、トーナメントは、1300万USドル以上でまかなわれています。それらはすべて、アジアと、最近はアフリカの、象の保護プロジェクトにより、徹底的に低コストで考案されました。その中に、自閉症の子供たちへの、エレファント・セラピーなどがあります。
タイのずっと北部にある、ゴールデン・トライアングルで、アナンタラが行ってきた仕事について補足したいと思います。ゴールデン・トライアングルは、ラオスやミャンマーとの国境に位置しています。60部屋のキャンプは、アナンタラ・ゴールデン・トライアングル・リゾートを特徴づける観光スポットです。2003年に、素晴らしいデザインを兼ね添えてオープンし、0.65平方kmの竹の森や、田んぼ、料理教室、豪華なスパ、そして二つのレストランがあります。ほとんど重要ではありませんが、そこの目玉は、毎朝、若い象がロビーを歩いていることです。すべて込みのパッケージには、30頭くらいの動物がアナンタラのエレファントキャンプに住んでいて救出されたという内容のセッションも含まれます。動物たちは象使いと一緒にいて、象使いの暮らしも、キャンプでまかなわれているそうです。
伝統的には、動物とのふれあいは、象使いの訓練という形をとります。ゲストは、象を操る基本のコマンドを学べます。そして、ゲストは旅行者用のひどいかごに座って乗るのではなく、鞍なしで象の方にまたがり、トレッキングに出かけます。象たちがどれだけ賢い動物なのかが、それですぐにわかります。昨年、リゾートは、Walking with Giants experienceという催しを追加しました。それはゲストが、ゆっくりトレッキングに出かけ、象が象らしくしているところ――ありえないくらいたくさんのブランチを食べたり、互いに川の中でじゃれあうのを見られるというものでした。